米国版:GCE Vectrex Arcade System
1982年11月に米国、後にカナダで販売されたバージョン。モノトーンで統一されたデザインが中々にクール。ただあまりに無機質過ぎる嫌いはあるかも。 台湾製(MODEL 3000)と香港製(MODEL HP 3000)があり、恐らくは初期ロットが台湾製で後に香港製に切り替わったと思われる。ちなみにカナダ製は香港製であっても型番は「MODEL 3000-C1」固定の模様。 電源は120V仕様だが100V入力でも十分動作する。但しコンセントプラグが「アース側極が大きい国際A型(ちゃんとコードにもアース側白線が入ってる)」なので、日本のコンセントには刺さらない可能性あり。この場合はアース側極がでかくなってるテーブルタップか変換プラグを買ってきましょう。PC用とかの3P極タイプだったら間違いなし。
ちなみに本体の外箱の類はかさばるので著者は一個も持ってません、よって以降の写真は全部ネットから無断拝借したものです。文句言われたら消します、ご了承を。 欧州版:MB Vectrex
1983年に欧州・及びオーストラリアで販売されたバージョン、黒地にカラフルかつポップなロゴを持ち個人的には一番格好良くて好き。GCE版同様、台湾製と香港製がある。 電源が220v〜240v仕様なので日本で遊ぶには変圧器が必要、そもそもコンセントプラグの形状が違うので刺さらないし。必要な容量は30〜40W程度なので安物の変圧器で十分使用可能。著者が持ってるのはスウェーデン向けらしくコンセント形状は「国際C型」だが、国によってコンセント形状が違う場合あり、少なくともオーストラリア版はオーストラリアのコンセント形式が国際O型なのでそれに合わせてある模様。
日本版:バンダイ コンピュータビジョン・光速船
1983年7月に日本で販売されたバージョン、当時からキワモノ扱いされてたおかげで流通台数も1番少なく海外でも存在を知られたのは割と最近らしい。本体に生産国の表記がはっきりと書いてないのだが、「GENERAL ELECTRONICS (H.K.) LTD」とあるので香港製だと思う。よって電源を含め中身は米国版台湾製「MODEL HP 3000」と同じと思って良い、多分。 コンセント形状が日本で一般的な「A型だけどアース側極が正極と同じ大きさ」にするために、ケーブルごとコンセントを変更してる、のだがこれが真っ白で似合わない事…、経年劣化で黄ばむし。
本体とコントローラの特徴的な「白と緑のライン」は外人には日本語ロゴも含めて結構ウケが良いようだが、個人的には一番オモチャっぽく見える。そこがまた魅力的かも知れない。 ちなみに増設用コントローラもラインナップに入ってるが、多分メーカー取り寄せだと思われる。日本版の箱は現在まで発見されてないので存在しない可能性大、下手すると中身まで米国版だったりして。 台湾製と香港製の違いカナダ版とバンダイ版を除き台湾製は「MODEL 3000」、香港製「MODEL HP 3000」と型番が違う。 台湾製と香港製の具体的な切り分け時期・意味は不明だが、恐らくは複数国に出荷するために電源周り他を強化したのが香港製と思われる(背面ステッカーも香港版になってから対輸出表記みたいなのが増えている)。あと全般的に香港製は台湾製に比べて極めて光線銃のビーム出力が強い傾向がある。
また香港製は台湾製に比べると日本の100V環境でもかなり安定動作する(従って「光速船」は「MODEL HP 3000」そのままと思われる)。台湾製もちゃんと日本の100V環境で動くのだが、一部個人製作ゲームとか周辺機器を使うゲーム等はステップアップトランスで120Vを突っ込まないと安定動作しない場合があるっぽい。大抵は動くんだが。 ステップアップトランスを使って台湾版に120Vを突っ込んでも香港版の方が安定している気がするので(わざわざこの実験のためにステップアップトランス買ったバカ)、日本で動かす事を考えたら香港製をお奨めしておく。 余談だが台湾製の一部ロットにはベルクロで固定する赤い電源コードバンドが付属するようで。これが非常に便利で良い感じである、似たような代物をダイソーあたりで売ってくれないかなぁ。
あと台湾製と香港製のコントローラのステッカーなのだが、剥がさないと判らないのだが印刷方法が違ったりする。具体的には台湾製は「白と灰色のマスクを塗り最後に全面黒ベタ」で、香港製は「最初に黒マスク、後で必要な部分に白と灰色のベタ重ね」である。コスト的には香港製の方がインク代安いと思うのでこんな所にまでコストダウンの努力があるのだなぁ…と感心したりも。 外部カバー違いバージョン著者も結構後になって気付いたのだが、外装カバーの形状が違うバージョンが存在する。具体的には「前面スピーカー穴の形状」と「背面スリットの位置」が違う。
現在カバー違いバージョンは台湾版しか確認できていない、一部の海外サイトでは「台湾版は外装カバーが違う」としている所もあるけど実際には台湾版でも二種類の外装カバーが存在する。なにせオレが1番最初に買った奴が「台湾版で通常カバー版」だったし。 そんな訳でわざわざ手元にあった「香港版と外装カバーが同じ台湾版本体」を売っぱらって「外装カバー違い版の台湾版本体」を買ったオレもどうかと自分で思った。eBayだときちんと判別出来る写真を撮る奴も少ないからちょっと入手に苦労したり。どうでもいい話だが。 各国毎のソフトパッケージの違い基本的にソフトの種類は下記の通り。
まず米国では当初GCE社から直接販売していたが、1983年にGCE社がMB社に買収された。ただ混乱を招かないためか途中から「MB社のGCEブランド」で発売されている。買収後は箱の下に「A MILTON BRADLEY COMPANY」のロゴが入っているのが特徴。全て香港製と思われる。
当然パッケージ・説明書ともに英語で、説明書はシステム手帳ほどのサイズで左開きである。第一期はグレー地に登場キャラクターも描かれたポップなものだが、第二期以降は黒地にロゴのみと殺風景になってしまった。米国版のみ最後のページは「別売りオーバーレイの申込み書」になっている。プラモの部品同様無くしたり壊した場合の措置かと思うが、別のゲームのオーバーレイも買えるシステムになってたりする。
箱は紙製なので形を維持するためにトレイが入ってる…のだがこのトレイも強度的によわよわで「無いよりマシ」程度、結果的に多くの現存するソフトは大抵潰れ気味になっている。なお「3D IMAGER」専用ソフトだけ内部トレイに「カラーディスク」を収納するための「逃げ」が作ってある。
カナダ版は一見米国版に似ているが、販売元が「CANADA MB社」になっている。さらにパッケージは両面ともほぼ全ての文章がカナダの公用語である英語、仏語両方で記載されているのが特徴。
現在手持が無いのだが、説明書は米国版と同じサイズだが英語、仏語のマルチランゲージになっている。面白い事に表紙に表裏が無くて片方が「英語版の表紙」もう片方が「仏語版の表紙」になっている。どちらも左開きなので裏返すと上下が逆さまになっている。 欧州では全てMBブランドで販売された。モノトーン風味な米国版に比べてギラギラとしている外観が特徴。パッケージ表面の表記は英語だが裏面はゲーム内容説明が6ヶ国対応のマルチランゲージで表記されている。このため他国版にある画面写真二枚がオミットされてて見た目が寂しい。製造元は香港の他にアイルランドがある(製造元表記は「MADE IN RIP.OF IRE」となる)
説明書はB6サイズ程度と大きくなり、さらに6ヶ国対応のマルチランゲージって事で(つまり同じ内容が言語を変えて6回収録されている)分厚いのが特徴、おかげで内部トレイには説明書を格納する分の「逃げ」が付けられている。しかしカートリッジの分を考えると全然意味無いんだがコレ。 あとオーバーレイが入っている袋に注意書きが入っているのも特徴、当然これも6ヶ国対応のマルチランゲージ。なんか「使用前にフィルム剥がせ」とか書いてあるがフィルムを貼ってあるオーバーレイは写真でも見たことなし…。
日本版は当然パッケージも説明書も全て日本語…と思いきや外箱に関しては完全に日本語ローカライズされているのは「ハルマゲドン(HARMAGEDON)」「スクランブルウォーズ(SCRAMBLE WARS)」の二本だけで、それ以外のタイトルのパッケージは米国版に「光速船」等のシールを貼っただけの代物である。そのため裏面の説明も英文のまんま。さすがに説明書とカートリッジのシールだけは全部日本語ローカライズされているが。 内容はほぼ米国版と同じでトレイとか説明書のサイズも同じ。オマケにA3版四つ折のカラーカタログが付いてくる。
カタログの裏面には妙な翻訳のゲーム解説やら「<<光速船>>はDC-ACインバータをご使用になると車の中でもプレイできます」とか「豪華商品の当たる2大コンテスト(多分未開催)」等ツッコミ所が一杯で面白い。 |